SAP Sapphire 2024はAI エコシステム、クラウド変革、持続可能なAIは、どのような影響を与えているか
AIだけでは勝てず、最高のエコシステムが必要
アジア太平洋地域におけるAIのチャンスは膨大です。IDCによると、APJのビジネスAI市場は2027年までに26%以上成長し、280億ドルに達すると予想されています。
チャンスは膨大ですが、ビジネスの選択肢も膨大です。そのため、SAP はエンタープライズテクノロジーや業界のリーダーと提携し、ジェネレーティブ AI がお客様のためにできることの限界を押し広げています。
AWS や Microsoft とのコラボレーションの拡大に加え、Mistral AI との新たな大規模言語モデル、SAP Analytics Cloud での Llama 3 の使用に関する Meta とのパートナーシップ、Google Cloud とのパートナーシップの拡大による Google Cloud の Gemini AI アシスタントと Google Cloud Cortex Framework のデータ基盤との統合などを発表しました。
そして、それだけではありません。SAPとNVIDIAは、最先端のテクノロジーをエンタープライズ対応のビジネスアプリケーションに組み込むために、製品横断的なパートナーシップで協力しています。つまり、Joule は NVIDIA の最先端の AI モデルを使用し、GenAI を SAP と NVIDIA のコード生成に統合し、複雑な製造製品と構成を産業用デジタル ツインとしてシミュレーションします。
ビジネスAIを最大限に活用するための型にはまったアプローチはありません。だからこそ、SAPのAIエコシステムの強みは、お客様が自分のニーズに合ったAIのメリットを推進するための最良の選択肢を得ることができることだと考えています。
クラウドでクリーンな状態を保つ
AIのメリットは、クラウドでしか実現できません。ベストプラクティスは、SAPが「クリーンコア」と呼ぶもので、コアアプリケーションをカスタム変更から分離するクラウドベースのERPインフラストラクチャです。その結果、新機能で簡単かつ迅速にアップグレードできるプラットフォームが実現し、俊敏なイノベーションが可能になります。
日立ハイテクのデジタルトランスフォーメーション事業本部長である酒井拓也氏は、簡素化とクリーンなコアの利点について明確に述べています。2019年、日立ハイテクはSAPシステム全体で9,000のアドオンを提供し、その結果、毎年多くのカスタムコード、エラー、および多額の運用コストが発生していました。変更のコストは、会社が 12 年に一度のメジャー アップデートを完了したことを意味しました。
クラウドに移行し、コアをクリーンにすることで、これらの問題を解決しました。S/4HANA Cloud Cloudをベースとした新システムにより、日立ハイテクは9,000件に減らし、ERPコアを容易にアップグレードできるようになりました。「古いERPのアップグレードは、計画段階から約1年半かかりました」と酒井氏は言う。「しかし、クリーンコアにより、毎年約40日でアップグレードを行うことができます。」
そして、この変化は、日立ハイテクが新しいイノベーションをより簡単に活用する計画を立てることができることを意味します。「毎年アップグレードすることで、クリーンなコアを新鮮に保ち、AIやプロセス自動化などの新機能を迅速にビジネスに提供できます」と酒井氏は締めくくりました。
「ERP」なしでサステナビリティを語るべきではない
SAP のイノベーションのメリットは、経済的なものだけではありません。それらは真の環境価値を推進します。そして、これは、世界の排出量の半分以上を私たちが担っているアジアでは非常に重要です。
サステナビリティと業績は本質的に関連しています。実際、企業は、財務データと同様に監査可能で透明性があり、信頼性の高い環境・社会・ガバナンス(ESG)データの会計システムを使用して、炭素をお金のように扱う必要があると考えています。
つまり、サステナビリティデータをクラウドERPに統合するということです。
そして、ビジネスAIが提供する巨大なイノベーションを活用できます。AIは、ESGおよびERPデータに依存する複雑なサステナビリティタスクを、自動化および監査可能にします。これにより、企業は運用効率を高め、サプライチェーンの排出量に関する透明性を向上させ、より効果的に設計および計画し、時間のかかるタスクを自動化することができます。
たとえば、Sapphire では、AI 対応の排出係数マッピングを開始し、カーボン フットプリントの計算の速度と精度を向上させました。また、SAP Sustainability Control Tower 内のデータに基づいて、AI による ESG レポートの自動生成を可能にしました。これにより、報告プロセスが合理化されるだけでなく、データの信頼性と実行可能性が確保され、企業のサステナビリティパフォーマンスの明確な全体像が得られます。
誇大広告を超えて、現実世界AIによる現実世界の結果へ
AIの誇大広告や興奮に夢中になりがちです。しかし、Sapphireで見たのはさらにエキサイティングでした - ビジネスの問題に真の違いをもたらすビジネスAI です。
アジア全体での私たちの機会は膨大です。しかし、特にクラス最高のエコシステム、クリーンなコア、持続可能なイノベーションへの注力というメリットを結集すれば、それを最大限に活用できるものです。