SAP の最新調査によると、AI のビジネス価値は“急上昇”しており、 その背景には AI の導入拡大と、企業が「エージェント型 AI(Agentic AI)」に対して抱く期待の急速な高まりがある。

SAP Study Finds Business Value of AI Is Spiking | SAP News Center

A new SAP and Oxford Economics study shows businesses are increasingly driving value from AI, even as challenges continue to accrue.

◆ 概要

SAP が世界の企業を対象に実施した調査では、AI の導入率が急速に上昇し、ビジネス価値の体感も大幅に増加していることが明らかになった。 特に、AI が自律的に業務を実行する「エージェント型 AI」への期待が高まり、企業は AI を“部分的な自動化”ではなく“業務全体の変革”に活用しようとしている。

AI の価値は、効率化だけでなく、意思決定の高度化・顧客体験の向上・新しいビジネスモデルの創出へと広がっている。

◆ 1. AI 導入が急増している理由

SAP の調査では、企業が AI 導入を加速する背景として次が挙げられている:

  • 生成 AI の普及による使いやすさの向上
  • AI エージェントの登場による業務自動化の拡大
  • 競争環境の激化による効率化ニーズ
  • データ活用の高度化(予測・最適化)
  • クラウド基盤の整備による導入ハードルの低下

特に、AI エージェントが「複雑な業務を自律的に実行できる」点が、企業の期待値を押し上げている。

◆ 2. AI のビジネス価値が“急上昇”している領域

SAP の調査では、AI が最も価値を生み出している領域として次が挙げられる:

  • 財務(Finance):異常検知、決算自動化、キャッシュ予測
  • サプライチェーン:需要予測、在庫最適化、リスク分析
  • 人事(HR):採用支援、スキルマッチング、オンボーディング
  • 顧客体験(CX):パーソナライズ、問い合わせ自動化
  • IT 運用:インシデント予測、自動修復

AI は単なる効率化ではなく、業務の質そのものを向上させる“価値創出装置”になっている。

◆ 3. エージェント型 AI(Agentic AI)への期待が急上昇

企業は AI に対して次のような“自律性”を求め始めている:

  • 業務プロセスを自動で実行する能力
  • 複数ステップのタスクを連続処理する能力
  • 判断・推奨・実行を一体化する能力
  • 人間と協働しながら例外処理を行う能力

SAP はこのニーズに応えるため、 SAP Business AI × SAP の業務データモデル × 安全なエージェント実行基盤 という構造を整備している。

◆ 4. AI の価値を最大化するための課題

AI の価値は高まっているが、企業は次の課題にも直面している:

  • データ品質の確保
  • AI ガバナンス(透明性・説明責任)
  • セキュリティと権限管理
  • 業務プロセスとの統合
  • 従業員のスキルギャップ

SAP はこれらを解決するため、

  • Business Data Fabric
  • AI ガバナンスレイヤー
  • 安全なエージェント実行モデル を提供し、企業が安心して AI を本番運用できるよう支援している。

◆ 5. AI が企業にもたらす構造的価値

SAP の調査が示す AI の価値は次の通り:

  • 意思決定の高速化と精度向上
  • 業務の自律化(Autonomous Operations)
  • 顧客体験の向上
  • 新しいビジネスモデルの創出
  • 競争優位性の強化

AI は企業の“効率化ツール”ではなく、経営の中核を担う戦略技術へと進化している。