SAP の最新調査によると、AI のビジネス価値は“急上昇”しており、 その背景には AI の導入拡大と、企業が「エージェント型 AI(Agentic AI)」に対して抱く期待の急速な高まりがある。
◆ 概要
SAP が世界の企業を対象に実施した調査では、AI の導入率が急速に上昇し、ビジネス価値の体感も大幅に増加していることが明らかになった。 特に、AI が自律的に業務を実行する「エージェント型 AI」への期待が高まり、企業は AI を“部分的な自動化”ではなく“業務全体の変革”に活用しようとしている。
AI の価値は、効率化だけでなく、意思決定の高度化・顧客体験の向上・新しいビジネスモデルの創出へと広がっている。
◆ 1. AI 導入が急増している理由
SAP の調査では、企業が AI 導入を加速する背景として次が挙げられている:
- 生成 AI の普及による使いやすさの向上
- AI エージェントの登場による業務自動化の拡大
- 競争環境の激化による効率化ニーズ
- データ活用の高度化(予測・最適化)
- クラウド基盤の整備による導入ハードルの低下
特に、AI エージェントが「複雑な業務を自律的に実行できる」点が、企業の期待値を押し上げている。
◆ 2. AI のビジネス価値が“急上昇”している領域
SAP の調査では、AI が最も価値を生み出している領域として次が挙げられる:
- 財務(Finance):異常検知、決算自動化、キャッシュ予測
- サプライチェーン:需要予測、在庫最適化、リスク分析
- 人事(HR):採用支援、スキルマッチング、オンボーディング
- 顧客体験(CX):パーソナライズ、問い合わせ自動化
- IT 運用:インシデント予測、自動修復
AI は単なる効率化ではなく、業務の質そのものを向上させる“価値創出装置”になっている。
◆ 3. エージェント型 AI(Agentic AI)への期待が急上昇
企業は AI に対して次のような“自律性”を求め始めている:
- 業務プロセスを自動で実行する能力
- 複数ステップのタスクを連続処理する能力
- 判断・推奨・実行を一体化する能力
- 人間と協働しながら例外処理を行う能力
SAP はこのニーズに応えるため、 SAP Business AI × SAP の業務データモデル × 安全なエージェント実行基盤 という構造を整備している。
◆ 4. AI の価値を最大化するための課題
AI の価値は高まっているが、企業は次の課題にも直面している:
- データ品質の確保
- AI ガバナンス(透明性・説明責任)
- セキュリティと権限管理
- 業務プロセスとの統合
- 従業員のスキルギャップ
SAP はこれらを解決するため、
- Business Data Fabric
- AI ガバナンスレイヤー
- 安全なエージェント実行モデル を提供し、企業が安心して AI を本番運用できるよう支援している。
◆ 5. AI が企業にもたらす構造的価値
SAP の調査が示す AI の価値は次の通り:
- 意思決定の高速化と精度向上
- 業務の自律化(Autonomous Operations)
- 顧客体験の向上
- 新しいビジネスモデルの創出
- 競争優位性の強化
AI は企業の“効率化ツール”ではなく、経営の中核を担う戦略技術へと進化している。

